初めての仕事が決まる瞬間、過ごし方、初めての現場で感じた事など、これから声優を目指す人にとって、少しでも参考になればと思います。奥村祥尭(おくむらよしたか)…声優養成所ASP第一期生。ASP在籍中に徳井青空さん主演ボイスドラマ「伊賀流モモチの昭和浪漫探偵録」にてデビュー。声優への第一歩を踏み出したばかりのフレッシュな新人。今後の活躍が期待される。
奥村）よろしくお願いします。
奥）はい。
奥）オーディションの題材が「おじいちゃん」の役でセリフを読んでいて、あぁ、これは顔合わせか何かかな?と勝手に思っていて、仕事に結びつかないなぁと思ってオーディション会場では好き勝手やってきました。終了後にこれはダメだなと思いました。
それから数日後、電話が来て決まったよ！と言われて正直何が決まったのか全く分からない状態で（笑）
そしたらこの前のオーディション（伊賀流モモチの昭和浪漫探偵録）が通ったと言われて、
あ！あれか！と（笑）
驚いて立ったり座ったり、必要ないのに携帯を充電したりなど、冷静ではなかったですね。
でもそのくらいビックリしました。それと同時に、自分は声優として仕事が出来る可能性があるんだなと嬉しく思いました。
奥）オーディション会場で読んだセリフを一生懸命思い出しました。
練習用に使うかもしれないので、書き起こしたりして、、、
その後、冷静になってゲームをしました（笑）
台本もまだ手元にないのに、今から考えてもしょうがないなと。
奥）2回目ですね。1回目のオーディションは空気になれなくて、ガチガチに緊張してました。
音響監督さんに、演技に関する事など色々とダメ出しされて、意気消沈して帰りました。
奥）不思議と緊張しなかったですね。自然に「よし！がんばるぞ！」という気持ちで臨めました。
奥）できるだけ背伸びをしないように、いつもと同じように変わらないようにしました。
自分の思いこみなんですけど、いつもと違うことをすると悪い結果になりやすいんです。
奥）そこはやはり緊張しました。やばいところにきてしまったんだって思いました。
こんなにも挨拶をするんだと、来たこともないところに来てしまったと(笑)
自分の知らなかったルールがたくさんありました。
それと、前日に事務所の代表からも連絡が来て、挨拶はしっかりしなさいと。
挨拶は本当に大事なんだなと思いました。
奥）周りの人たちは敵なんじゃないかと勝手に思ってたんですけど、みなさん、優しくてホッとしました。収録中は、山口勝平さん演じる「西十条マモル」と二人だけで演じるというところがあって、ミスってはいけないという不退転の覚悟でやってました(笑)
奥）いや、もうおわったーーーーですね それと、失敗せずに出来たなと思うと同時に何か出来たんじゃないかなという悔しさも出てきました。
他の出演者の方々もそうなんですが、特に一緒に演じさせていただいた、山口勝平さんから学ぶものがたくさんありました。
奥）声優で食べていくという事に 割と漠然としていました。
でも、1本仕事を終えてみて、オーディションを受けて、現場でベストを尽くして、世に出て1本の仕事が終わるというサイクルを今体験中なんです。このサイクルを今後繰り返していきたいという自覚ができました。日常生活のものだとか、色々と試されてるんだなと。
人生そのものが仕事に直結していくんだなと思いました。
奥）自分の中では明確にこのタイミングというのはなくて、小さい興味から養成所に通い始めて、そのあと大学の先輩からメールを頂いて「おまえは声優になりたいという夢を言ってたよ」と。自分で明確に夢を話していたんだなと(笑)大それた理由は特にないです。
ただ声優になりたいという気持ちで来ました。
奥）そうですね、テレビをつけておいて、ナレーションとかが流れてきたら即座に自分で真似してみる。アニメももちろん見ます。どういう意図があって声を出してるか？とか問いかけてるんだろうとか一つ一つ気にして見るようにしてますね。
昔と今のアニメの声の出し方を比べたりとかを最近始めて、自分はどうすればいいのかななど考える強いきっかけになってますね。
奥）やっぱりレギュラーがほしいです(笑)
今は純粋に自分が全力を出して仕事をしてみたい。仕事をやるうえでどのようなことが学べるのだろうというのを感じ取りたいなと。
奥）もちろんです(笑)役に立ってます。声の出し方にしても自分の声を理解していたつもりでいたんですけど、客観的に自分の声を聞くという意識が全然足りてなかったなというのを感じました。レッスンを受けて自分のしゃべり方が変わったなと自覚してます。
奥）まだまだ言える立場じゃないですけど、普段の自分のまま、自然体でいられるように心がけるといいかな、と思います。
奥）はい、頑張ります。ありがとうございました。
